標記連載シリーズの第2回、
今回は、Remo Eのエコキュート自動化のマニュアル等から
その設計方針を読み解いてみます。
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表1にNature社の開発ブログ、マニュアルや
スマホアプリの設定項目を基に、
この自動化機能を纏めてみました。

表は横軸に翌日の天気が良い場合と悪い場合の挙動の違いを
縦軸はそれぞれ天気で各機能がどう設定・動作をするのかを列挙しています。
以下、解説していきます。
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1.大方針は「お湯の確保を最優先」
表中にも赤字で示してる通り、
お湯の確保 > 省エネ
です。
ま、これは当たり前ですね。
もし、省エネを最優先にするなら、
お湯を作らないのが最も省エネになりますw
しかし、ガス給湯器とは異なり、
エコキュートは一旦湯切れを起こしてしまうと、
お湯を作り直すのに数時間も要します。
事実上、手遅れの状態ですね。
Remo Eのエコキュート自動化機能では、
まず、ユーザーが必要としているお湯は確保する、
その上で、可能な限り余剰太陽光電力を活用するなど、
省エネに努める、との方針で設計されています。
従って、朝、夕に必要な湯量は、ユーザーに決めさせます。
もし、余剰太陽光電力が夕方分のお湯作りに足りなければ、
躊躇なく蓄電池の放電や系統からの買電によってお湯を用意します。
そこに、
「蓄電は夕方以降に取っておく」とか「買電は極力避ける」などへの配慮は、
入り込みません。
関連の設定もアプリでは出来ないようになっています。
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2.Remo Eが省エネ活動を行ってくれるのは「天気が良い時のみ」
表1の真ん中の縦列が天気が良い時、
右端の縦列が天気の悪い時の挙動です。
天気が悪い時は、表に水色で示した通り、
Remo Eはエコキュートへ全く干渉をせず、
エコキュート側の設定のまま夜や昼の沸上が行われます。
ただし、例外として、表に濃青で示した通り、
前夜の天気予報は悪かったが、
翌日の昼間に天気が改善した場合には、
開始時刻、終了時刻、売電量をトリガとして、
Remo Eが余剰太陽光電力による追加沸上を行ってくれます。
一旦、天気が悪いと判断したケースなので、
既に未明の夜間電力を使って1日分必要なお湯を
エコキュートが沸上してしまっていますが、
ここで無料の太陽光電力により追加の沸上をしておけば、
翌日の夜間電力消費を減らす効果がありますので、
これもRemo Eが省エネ活動を行ってくれていると言えます。
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3.蓄電池やEV電池の「充放電には干渉・配慮しない」
表1で、電池の充放電に関係してくるのは、
天気が悪い→改善して、
Remo Eが追加の沸上を行った際に、
その追加沸上を終了させるトリガとして、
蓄電池やEV電池の放電量を用いている部分のみです。
(表1で黄色の部分)
「もう、その日に必要なお湯は、未明の夜間電力で確保されているので、
ユーザーが蓄電池の電力温存や系統への売電阻止を優先したいなら、
そこには配慮しますよ」
って考え方ですね。
上の大方針がここでも一貫しています。
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以上、マニュアルから読み取った、
本機能の考え方を解説してみました。
従って、
初回に懸念していた、
余剰太陽光電力による据置蓄電池やEVへの充電を邪魔しないか?
については、ちょっと厳しそうですね。
Remo Eは、蓄電池の充放電状態には配慮せずに、
ユーザーが夕方に必要とした量のお湯を、
余剰太陽光電力を淡々と使って沸上してしまいます。
よって、春や夏の晴天時のように、
余剰太陽光が潤沢にある季節であれば、
エコキュートだけでは余剰電力を使い切りませんので、
蓄電池やEV電池の充電分電力も残ります。
しかし、冬の晴天時だと、
エコキュートが余剰電力を使い切ってしまって、
蓄電池充電分の電力が残らないとか、
系統から買電が発生してしまうなど、
好ましくない状況が発生しそうです。
それを今のアプリのままで回避するためには、
自動化機能をオフにするか、または、
・朝必要な湯量を「2多め」に設定する
・夕方必要な湯量を「3少なめ」に設定する
位しか手が無さそうです。
これで、どの程度の効果があるのかは、
今後の試行で確認してみたいと思います。
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早くも梅雨っぽい天気となって来ましたね。
今朝も土砂降りの中、
柴犬様は合羽無しで悠々と散歩に出かけて来ました。
帰宅後の玄関での「柴ドリル」により
びしょ濡れにされるのも毎度のお約束ですw
では、今日はここまで!