標記連載シリーズの第11回、
今回は、Remo E、E2の当該機能の
夜→昼シフトの閾値の調整にトライします。
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Remo Eのエコキュート自動化機能は、
前夜の天気予報を基に、
翌未明に夜間電力で沸上するか、
昼間に沸上をシフトさせるかを調整してくれます。
ただ、現状、
どちらかと言うと攻め気味wの味付けとなっており、
「控えめシフト」設定を選択していても、
曇や雨の予報にもかかわらず、
夜→昼シフトを強行wしようとします。
参考として、👇の表1に試行27日目までの、
天候、Remo Eによるシフト有無、実際の発電量・買電量・電池放電量を示します。

👆の表1から、以下2つの改善点が見えてきます。
(1)シフトの閾値が低すぎる(発電量が少なくてもシフト強行)
(2)10日に1回程度の頻度で、大きな判断ミスをする
(雨の日にシフト強行や、日射量多い日にシフトせず)
以下、それぞれ対策を考えます。
(1)シフトの閾値が低すぎる(攻めすぎw)
👆の表1から、現状は発電量が8 kW付近を境に、
Remo Eによるシフトの有無のすみ分けを行っていそうですが、
ちょっと我が家には攻め過ぎの設定です。
我が家の昼間の消費電力は
エコキュート以外 10 kW(毎時 1kW程度 ✖ 10hr)
昼間エコキュート(夏) 3 kW(毎時 1kW程度 ✖ 3hr)
ですので、
シフト有無の閾値を太陽光発電量で 13 kW辺りに出来ると、
系統からの買電や蓄電池の放電による昼間沸上を避けられそうです。
Nature社のRemo Eに関するユーザーコミュニティへの書き込みによると、
「このシフトの味付け(閾値)を変更したい場合には、
エコキュートの消費電力を弄ると良い」
とありました。
より攻めたい(シフト強行ぎみ) → エコキュートの消費電力を少なめに設定
よりコンサバ(シフト抑えぎみ) → エコキュートの消費電力を多めに設定
これは、Remo Eがシフト有無を決める際に、
「太陽光の余剰電力」ではなく、
「太陽光の発電電力」とエコキュートの消費電力を比較しているためです。
つまり、日中にエコキュート以外の家電の消費電力が多いと、
「発電電力」と「余剰電力」の差が大きくなり、
夜→昼シフトの閾値へ「攻めぎみ側の誤差」が乗ってしまうこととなります。
我が家はエコキュート以外の家電のベース消費電力が、
上述の通り、概ね毎時で 1 kW 程度あるため、
Remo Eのエコキュート消費電力の設定を
変更前 → 変更後
夏 1.0 kW → 1.8 kW
冬 1.5 kW → 2.8 kW
に、それそれ変更してみます。
効果については、また後日ここで紹介させていただきます。。
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(2)10日に1回程度、大きな判断ミスをする
👆の表1だと、
14日目に雨で5 kWしか発電しなかった日にシフトを強行しました。
26日目には、薄曇でしたが19 kWも発電した日にはシフトしませんでした。
ただ、これらはRemo Eの味付けの問題ではなく、
現状の天気予報の予測精度の限界によると考えています。
(決して、Remo Eが参照しているApple Weatherをディスっている訳ではなくw)
日本の翌日天気の予測精度は、
近年、衛星データとAIの活用によりほぼ9割近くに達しています(図1)。

よって、10日に1回程度は翌日の天気予報が外れても仕方なく、
更に、局所的な雲などに左右される日射量の予測精度は
近年でも、まだ7~8割程度とのことです。
従って、天気予報によるシフト判断は、その程度の信頼度だと思って、
ユーザーはRemo Eによる前夜時点でのシフト計画を鵜呑みにはせずに、
「オーバーライド」ボタンも併用していく必要がありますね。
で、さっそく👆の表1の通り、
雨予報にも関わらずRemo Eがシフトを強行しようとした27日目に、
手動による「オーバーライド」を実施して、昼間電力による沸上を止めました。
その日は、結果的に8 kWしか発電してくれなかったため、
上述の通り、日中の消費電力が10 kW程度ある我が家としては、
この27日目のオーバーライドによるシフト中止の選択は成功だったと言えます。
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余談) 「Apple Weather」 について
以前ほどではありませんが、
Appleの天気アプリは、日本向けとしてはまだ精度が悪く、
他の天気予報スマホアプリと比較すると、
我が家の地域でも、その予測精度は高くはありません。
ただ、Remo Eのようなスマホアプリの開発時に使いやすい天気データ提供サービスは、
現状、海外ベンダーのものが多く、彼らはまだまだ日本の天気の予測は苦手のようです。
それらの中でApple天気は、日本の天気予測の精度がまだマシな方なのです。
日本の天気予測に強くて、かつ天気予測データの提供サービスを行っている
日本の会社も数社ありますが、
みな「価格応談」の所が多く、ちょっと敷居が高そうですよねw
(目先のコストで価格を決めてしまう日本の企業・・・・)
我々一般ユーザーは「天気予報はタダで手に入るもの」
と日頃から思い勝ちですが、
B2Bの世界では天気予測は有料でのサービスが当たり前です。
Nature社さんも、天気の予測精度が悪いと言われても
そうそうデータソースを変更するわけにも行かないのでしょう。
農業、漁業、イベント業、軍事などは、ガチに「天気に命を左右」されますので、
有料でも精度の良いデータを買い求めています。
各国軍は自前でも天候予測をしていますよね。
衛星からの観測データ と 豊作・豊漁等のデータを結びつかせることで、
AIの学習を進めて行けば、
よりソリューションに合ったサービスが出てくることでしょう。
かつては、前者は各国政府が、
後者は農家や漁師やその分野の機械メーカーがデータを持っていたので、
両者を結びつけることがなかなか難しかったのですが、
近年はそれらを仲介したり、自前で衛星を打ち上げたりする新興のサービスが、
今まさにこの分野で鎬を削っていますので、アッと言う間かと。
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で、柴犬様の「ツン」と「デレ」の閾値は
5年目にしてようやく分かりつつありますw
では、今日はここまで!