いえ、そんな犬種は居りません・・・・w
さておき、今年の6月は空前の空梅雨となり、
なんと戦後からの6月観測史上で最高の日射量となりました。(大丈夫か地球?)
ただし、その結果、太陽光パネルはちっとも雨で洗われず、
また日射量増加とセットで気温・パネル壁温もかなり上昇してしまったため、
昨年の6月より6%も日射量が増えてくれていたにもかかわらず、
太陽光の発電量は逆に4%も落ち込んでしまうと言う
いろいろな意味で残念な一カ月となりました。
恒例の我が家の電力動向、
今回は2025年6月分のご紹介です。
導入時期参考)
・太陽光 2010年4月〜(オール電化もこの時から)
・EV導入 2022年6月~(リーフ)、2024年6月~(ekクロスEV)
・V2H導入 2022年10月~
・断熱工事 2024年12月〜(窓、壁、床、風呂の断熱リフォームを行いました)
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1.太陽光動向
まずは、太陽光です(図1~3)。
図1に、毎日正午ごろ1hrの
太陽光発電のピーク出力を示します(日々の平均気温を併記)。

今年の6月は前月5月と打って変わって、
雨が殆ど降らず、早くも気温が上昇したために発電効率が低い一ヶ月となりました。
図2に各月毎の日射量と発電量を、
図3に全天日射量vs太陽光発電量を示します。
なお、図2中の一点鎖線は、
過去20年間における日射量の最高値と最低値です。

6月の日射量(オレンジ●)は、
過去20年での最高日射量(図2中の上の一点鎖線)を超過する多さでした。
(戦後からの観測史上で6月の月間日射量記録を更新です!!)

図3の日射量vs発電量の関係を見ると、
6月のプロット(図3中のオレンジ矢印の点)は、
今年の1月~6月の回帰線(図3中のオレンジ破線)と比較して
大きく右下側に寄っており、
この6月の太陽光パネルの発電効率が、とても低かったことを示しています。
今回から、発電効率の高低がわかるように、
図中に灰破線を4本追記しています。
この6月は、今年前半のオレンジ破線回帰線と比較して、
8%程度の発電効率の低下が見られています。
我が家は気温の1℃上昇で発電効率が1%低下しますので、
気温上昇によるパネル壁温の上昇による効率低下が約3~4%、
残りの約5~4%は、雨が降らなかったことによるパネルの汚れが原因と考えています。
昨年は7月からこの発電効率の大幅低下が始まったのですが、
今年はこの空梅雨のために、もう6月から発電効率の低下が起こっています。
乾燥や害虫などで、今年もお米は厳しそうですね。
2.据置蓄電池 SOH、充放電効率 動向
図4に、トライブリッドT3の据置蓄電池のSOH劣化について示します。
SOHの算出方法は、SOC 0%→100%充電時に要した電力量の合計値を用いています。

6月も一気にSOHの回復?がみられた一カ月となりました。
図4には冬の期間がわかるように追記していますが、
やはり、気温が暖かいとSOHの劣化が抑えられるようです。
保証期間15年目(=横軸で5,500日目に相当)でのSOH予測値については、
前月5月の26%程度から、この6月は約28%まで大きく改善しました。
保証範囲のSOH50%が、実効容量(6.4kWh)に対してだったとしても、
この劣化傾向が今後も継続したとすれば、
12年目の中ごろにはSOH50%(図4の縦軸だと43%)を割り込むこととなります。
図5は、HEMSのデータから算出した据置蓄電池の充放電効率の推移です。
こちらは引き続き 87 %前後を維持しており、性能劣化は見られません。
ただ、昨年同様、暖かい方が充放電効率も安定する傾向が見えております。

3.EV動向
お次は、EVです(図6)。
昨年6月から前車リーフに代わって、軽EVのekクロスEVでのデータとなります。
ランコス参考
原チャ 3円/km
最新ディーゼル車 5円/km
最新ガソリン車 6円/km
我が家の軽自動車 14円/km
(15年前のトルコン式トールワゴン)

まず、オレンジのEV電費は、
前月5月の9.9km/kWhから、この6月は9.5km/kWhまで若干悪化しました。
走行時の気温が20℃を超え始め、
エアコンを使うようになりEVの電費性能が悪化し始めました。
今年も一旦、秋までは電費性能が落ち込むことになりそうです。
ただ、昨年の6月との比較では、
今年の電費は3%の改善(9.2 → 9.5 km/kWh)が見られています。
気温は今年の6月の方が2~3℃程高く、
エアコンによる電費性能の悪化は今年の方が厳しそうなのにです。
この今年の電費の改善要因として考えられるものに、
ekクロスEVの走行モードの変更があります。
昨年の6月は新車乗り始めの月であり、
ekの走行モードは前車リーフに倣って「エコ」を選択していました。
しかし、ekの「エコ」モードはリーフのそれとは異なり、
高速道路などでの長距離巡航時の絶対的な航続距離延長のために、
「コースティング」を多用して回生ブレーキを殆ど作動させないモードでした。
我が家の使い方のような、
街乗りで発進・停止を頻繁に繰り返すような場合には、
回生ブレーキが強めの「スポーツ」モードの方が、
疑似的なエンブレが効いて運転しやすいために、
昨年秋頃からはモードを「スポーツ」に固定で乗るようにしていました。
この「スポーツ」モードの選択が、
我が家の使い方には電費的にも良かったのではないかと予想しています。
ネットの日産サクラ猛者の方々によると、
「エコ」よりも「スポーツ」の方が電費が7%改善するとの報告もあります。
グレーのランニングコストも
この6月は前月5月よりも0.8円/km増の3.5円/kmとなりました。
こちらは、電費の悪化通りのコスト増になっています。
(昨年のランコスが今年よりも低いのは、無料の充電スポットを活用していたため)
図7と表1にEV充電池のSOH劣化推移を示します。


メーカー保証は、8年=2,920日以内でSOH≧66%(但し走行16万km以内)ですが、
納車後13カ月のデータを外挿すると、8年目のSOHは前月5月外挿での約50%から、
この6月外挿では54%まで改善しました。
いよいよ、保証範囲内の66%が見えて来ましたね!
表1はこの6月末までの劣化傾向から外挿した
走行用電池のセグ欠け予想時期とその時の走行距離です。
1セグ掛けは納車から丸2年と5ヶ月の来年11月初旬となり、
先月までの傾向と比較して約2ヶ月延びました。
容量保証の8セグには、2030年春ごろに達するとの現状での予想です。
さて、その時しっかり保証対応をしてくれるのでしょうか?
他のユーザーさんらの口コミによると、
日産サクラや三菱ekの走行用電池は、
最初に大きく劣化した後は、
徐々に劣化スピードが緩やかに抑えられてくると言います。
確かに先月までよりも今月の方がSOHの劣化具合に鈍化が見られますねv
こちらも、引き続き注視していきます。
4.電力供給・消費動向
我が家の電力消費の概略内訳はこちらやこちら。
まず、図8に平均気温vs自宅消費電力の関係を示します。

上述のようにこの6月は空前の空梅雨となってしまい、
昼間のエアコン使用が始まったために
EV同様、自宅の消費電力も増加に転ずる月となりました。
図9に、エコキュートの
夜間自動運転と昼間の手動運転の時間配分について
その理想配分と1月から6月末までの実績を纏めました。

今度のエコキュートはHEMSに対応しており、
太陽光発電の余剰電力が多い時間帯、季節には、
遠隔手動で沸上運転をかなり柔軟に行うことが出来ます。
上述の通り、この6月は空梅雨で十分な日射があったため、
図9中でオレンジで示す昼間の沸上運転を行える日が多くなり、
その分、図中で青で示す夜間の沸上運転の時間を減らすことが出来ました。
連載記事の通り、
この6月からNature社のRemo Eのエコキュート自動化を試用しており、
この夜・昼のエコキュート沸上運転を、
Remo Eによる自動運転に任せていました。
この機能はエコキュートの昼間の運転を手動で行う手間が省けるとともに、
夜間の自動運転にも介入して、夢の夜間0時間運転も達成してくれる優れものです。
(「案件」ではありません (^^;)
この6月の試行でサブスク料金(300円)の4~5倍の省エネ効果が得られており、
我が家では今後も同機能の本番運用を続けて行くこととしました。
図10は昨年末に行った断熱リフォームによる、
自宅の消費電力の削減効果を示しています。
同一気温で換算すると、
この6月の自宅消費電力は昨年と比較して12%減との結果となりました。
冬の暖房だけでなく、夏の冷房でも省エネが効いているようで、
エアコンを使わなかった前月5月よりも昨年比の省エネ効果が増えています。
夏にもリフォーム工事の甲斐が継続しており、嬉しい結果ですv
我が家の地区の従量電力料金単価で計算すると、
断熱リフォーム後の1~6月の6カ月間での
電気料金は約4.6万円の節約となりましたv

次の図11に、
家+EV全体での我が家の電力消費の動向を示します。

この6月の自宅の電力消費(青棒)は
前月5月と比べると気温の上昇のためにエアコンの使用を開始したために若干増えましたが、
前年6月との比較では、リフォームによる冷房断熱効果の向上や、
Remo Eによるエコキュート自動化運転のお陰もあり、
自宅の消費電力を大きく減らすことが出来ました。
更に、EVの消費電力(オレンジ棒)も昨年の6月と比較して減っていますが、
こちらは、上述の電費性能向上とともに、
今年は絶対的な走行距離が昨年比で短めだったことに起因しています。
次の図12に、
家+EV全体での我が家の電力供給の動向を示します。

電力供給量についても、消費と同様にこの6月は増加に転じています。
ただ、昨年の6月との比較では、
今年の6月は系統からの買電(緑・黄棒)がかなり少なくて済んでいます。
こちらも、リフォーム工事による断熱性能向上のお陰ですv
ただ、上述の通り、今年の6月からRemo Eにエコキュートの夜昼運転配分を任せたため、
昼間に系統からの買電ミスが若干発生してしまい、
図12での黄棒(朝晩の買電)が、やや増えてしまう結果となりました。
Remo Eは天候に対してやや攻め気味に昼間の電力を使う傾向があるため、
今後、閾値の調整をトライしていきます。
5.電力単価動向
最後に電力単価(含・EV経路充電料金)です(図13)

(燃料調整・再エネ賦課・激変緩和含まず、EVの経路充電料金負担は含む)
この6月は戦後からの観測史上、最高の日射量となる6月でしたが、
気温の上昇により太陽光パネルの壁温が高めであったことと、
雨が少なくパネルの汚れが落ちなかったことで太陽光の発電量はそこまで多くはならず、
一方で、断熱リフォームにより、夏の冷房での消費電力を少なく出来たお陰で、
前月5月と比較して電力単価の上昇を僅かだけに抑えることが出来ました。
結果、6月の電力単価は、
約16.4円/kWh(自宅+EV)
前月比+0.9円/kWh、前年同月比+4.7円/kWh
となりました。
(燃料調整、再エネ賦課、激変緩和補助金を含まず)
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「飼い主に似てしまったんですよ」と冗談を言うと、
山小屋のご主人は私のお腹と柴犬様を見比べて、
ますます微妙な表情をされていました(^^;
夏至は過ぎたものの、7月は輪をかけて気温が高くなり、
太陽光パネルの発電効率的には厳しい月となります。
また、台風による急な天候悪化も覚悟しなければならない季節です。
次回も、8月初旬頃に7月分の電力動向をご紹介させていただきます。
では、今日はここまで!