V2Hのなぜ? 2026年1月

本日は、V2Hで困っている以下の2つの仕様?について紹介します。

1.EV・V2Hの充放電効率が低い
2.充電優先がEV、据置蓄電池の順
に固定

結論から言うと、
「3者ルールに従った設計のため」となります(以下詳細w)。

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ここでの、「3者」とは、
 ・所管官庁
 ・大手の電力会社
 ・茶でも協議会
です。
「俺たちでそう決めた」との議事録は非公開ですが、
3者それぞれが公開している資料を読むと、まぁ、そう読めます。

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1.EVV2H充放電効率が低い

充放電効率(総合効率、往復効率)の定義は、
 = 電池から使用できた電力量/充電に要した電力量
で、我が家の使い方の場合、
 ・据置蓄電池 約 87 %
 ・EV・V2H  約 61 %
と据置蓄電池と比較して、V2Hのそれはかなり低めとなっています。

これは、EVやV2H機器の効率が悪いためではなく、

「EVがV2Hを介して系統の電力と接続している際の、
 制御、通信、電力変換、安全監視、自己診断などに必要な電力は、
 系統の電力ではなく、EV電池の電力を使用すること

との仕様になっているためです。

なぜ、このような仕様にしているかと言うと、
「EVは系統の電力で直接動いてはいけない」
との安全上の理由からです。

車輪を動かすモーターにだけ電力を供給させなければ良いのですが、
もし、ECU(制御ユニット)が暴走したりすると、
充電ケーブルが接続されたまま、
「電力無限でアクセル全開のまま止まらない」との事故もあり得ますので、
このように、「EVは系統の電力では動かない」仕様となっています。

一方、当たり前ですが、据置蓄電池は自走したりしませんのでw、
システム制御や機器間通信等のための電力を、
電池内にためた効率の悪い電力を使わずに、
系統からの生電力wを使えるため、充放電効率を高く出来ています。

図1は我が家の場合の実績で、
15時にEVが帰宅して、V2Hに接続した後の、
EVのSOC低下を示しており、
この時は、EV→家への放電は全く行っていなかったにも関わらず、
EVのSOCが、8時間で 85 %から 71 %まで、
ekクロスEVの場合の電力量にして、
約 2.4 kWhも低下してしまっていました。

毎時にして、約 300 Whが、
「EV電池の電力が使用されてしまっている」
ことを示しています。

図1 V2H接続時にEVが放電をしていない時のSOC低下

これが上述の、V2Hシステムの稼働に必要な電力消費で、
内訳は概ね、下表のとおりとなります。

内訳典型値
車両ECU(電力制御) + BMS(電池制御)30〜80W
DC-DC(12V維持)50〜150W
V2H通信 + コネクタ20〜50W
温度管理・自己診断0〜100W
表1 V2H接続時のEV電池の消費電力内訳

我が家の平均的な放電電力量は、毎時 1.5 kWhですので、
充放電効率にすると、平均で 20 %(=0.3/1.5)の低下に相当します。

これは、上述の据置蓄電池とEV+V2Hの充放電効率の差とほぼ一致しますよね?

我が家は、EVとV2Hのシステム的な接続(コネクタロック)を
当初、そう小まめに切り替えてはいませんでしたので、
上の図1のような無駄が良く発生していました。

この無駄を防止するためには、

 1.EVとV2Hのコネクタロックは、EVへ充電する時にのみ行い、
   それ以外の時間帯では、図1の毎時 300 Wh無駄放電を防止するために、
   極力コネクタロックを解除すること。
   → 3者仕様は、
     系統と接続していない時のV2H側システムの使用電力に
     EV電池を使用することとまでは規定していません。
     当たり前ですよね、接続していないのですから使いようがありません。

 2.太陽光の余剰電力の利用は、
   ・据置蓄電池への充電
   ・エコキュートのおひさま運転
   ・EVへの充電(走行用の電力として利用)
   ・売電
   の順とする。
   → 効率=コスパが良い順となります。

 3.EV → V2H → 家への放電は、
   停電時など非常時以外には使用しない。
   → 夜間電力でEVに充電した電力は、
     充放電効率が60%では、逆ザヤになります。
     無料の太陽光電力なら逆ザヤにはなりませんが、
     EV → 家への放電利用を行うためには、
     常時、V2Hのコネクタロックを行っておく必要があり、
     1.の理由から避けておいた方が経済的です。

以上、纏めますと、V2Hの充放電効率が低いのは、
「安全のために、EV+V2Hのシステム電源を、EV電池から取っているため」
となります。

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2.充電優先がEV、据置蓄電池の順に固定

前項のコスパ条項から、太陽光の余剰電力の利用は、
 ・据置蓄電池への充電
 ・エコキュートのおひさま運転
 ・EVへの充電(走行用の電力として利用)
 ・売電
の順としたいのですが、
我が家のニチコン製トライブリッドT3は、
(停電していない)通常時には、
 ・EVへの充電
 ・据置蓄電池への充電
の順にしか充電してくれません。
(停電時は、据置蓄電池を優先する設定が可能)

本件、ユーザーからニチコン社へは、
大変多くの改善要望が寄せられているようで、
実は技術的にも簡単に対応が可能なのですが、
3者仕様の縛り」があるために
絶対に変更の要望を受け付けてくれません。

ただし、後発のPanasonicのEneplatや、
ニチコンのT3後継機種であるトライブリッドT5/T6では、
デフォルトの設定こそ、このEV、蓄電池の順のままですが、
据置蓄電池への充電を優先する設定に変更することが出来ており、
メーカーも「ユーザー目線ならこの方が良い」ことを重々理解しています。

どんな「3者仕様」があるかと言いますと、

「EVの電池は、社会のためにある」

との縛りです。

「えっ? うちで買ったんだから、うちだけの物でしょ?」
とのご意見もご尤もです。

太陽光、風力などの出力が安定しない再生可能エネルギーには、
各地域や家庭ごとに、バッファーとなる蓄電池の設置が必須です。

日本で、EVを普及させようとした際に、
その各地域で今後設置が必須となる大量の蓄電池としても、
「各家庭のEV電池を社会に供出させる」との制度設計を行いました。
V2Hの先のV2G用途が一般的となる近い将来向けですね。

そんな勝手に!・・・・と思われるかもしれませんが、
この「EVは社会共有のインフラ」との制度設計により、

「税金を元手とした補助金をEVやV2H購入者に出せる」

ようになりました。

現実には、こんな充放電効率の悪い蓄電池が
社会インフラとして許せるのか?
について、はなはだ疑問ではありますw

さて話を戻して、
この「EV電池が社会インフラ」との縛りと、
余剰太陽光電力の充電優先順位固定の関係です。

3者による制度設計では、
 ・EVは系統接続時は、その存在が系統から見えていなければならない。
  (あそこのEVは帰宅していて、容量○○kWhの電力バッファがあると、電力会社に見えること)
 ・全てのEV電池の充電、放電は、系統からでも常に制御出来なければならない。
  確かに、我が家のT3にも系統から介入が可能な機能があります。
  現状、EV電池のV2G(地域への放電)運用は一般的ではありませんが、
  たまに電力会社からV2G実証実験への参加募集が来たりしています。
 ・余剰電力がある時は、
  系統から制御できる「社会インフラとしてのEV蓄電池」への充電を優先すること。
  (社会 > 個人w)
 ・停電時は、EV電池が系統から見えなくなるので、
  この「充電優先順位の縛り」は適用除外とする。
  (確かに、我が家のT3も停電時は、据置蓄電池を充電優先に設定できます)
となっています。

ニチコン社のT3は、
この「3者縛り」に対して愚直に、
 ・通常時の余剰太陽光電力の充電先は、EV優先固定
との仕様で設計されました。

でも、Panasonicの競合機や、ニチコン社の後継機は、
余剰太陽光の充電を据置蓄電池優先に設定できます。

これらは、ユーザーらの熱い据置蓄電池への充電優先要望に対して、
充放電を二系統用意するとの荒業で対応しています。

上述の「3者縛り」に対して、
 ・EVが接続時は、いつでも系統から見えるし、系統からの制御も出来る。
 ・充放電器は二系統あるので、
  例え据置蓄電池が充電中でも、同時に系統からのEVへの充電・放電要望にも対応出来る
 ・従って、2系統の内の残りの1系統については、
  ユーザーの好みで余剰太陽光の充電優先順位を変更できる。
との何とも涙ぐましい設計努力で、3者・ユーザーの板挟みを解消しています。

以上、纏めますと、我が家のT3で、通常時に余剰太陽光の充電先がEV優先固定なのは、
「EV電池は社会インフラなので、個人のコスパよりも優先されるため」
となります。

確かに、EVやV2Hの補助金を頂くときに、
その手の条項が書いてあったと記憶しています。

小一市民wとして、この大きな縛りwに対応するためには、

 1.EVが家に居る時に、据置蓄電池へ充電したいときは、
   EVとV2Hのコネクタロックを手動または指ロボットによる遠隔で解除する。
   そうすれば、当然、余剰電力は据置蓄電池へ充電される。

 2.据置蓄電池が満充電となると、
   Remo Eによる自動化で、
   エコキュートがおひさま運転の開始、終了を自動的に行う。

 3.更に余剰電力が1kW以上と十分に多い場合には、
   EVとV2Hをコネクタロックを、
   手動や指ロボットによる遠隔で行い、
   EV走行用として充電を行う。

 4.EVさえも満充電になる、
   または、余剰電力がEV・V2Hのシステム消費分にしか使われないような
   少ない電力(1Kw以下)になった場合には、
   コネクタロックを解除して、売電に回す。

との、結構、楽しい、もとい面倒な運用が必要になりますw

2番はRemo Eで自動化できるのですが、
1,3,4の自動化は、私のスキルでは厳しく、
しかも、HEMSメーカーなどのサードパーティも、
上述の「3者縛り」に逆らうこととなるため、
技術的には可能でも、手を出しにくい領域なのかと。

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さて、
カーボンニュートラル時代に向け、V2Gは大変結構なのですが、
その電力の出入りに対する料金精算が大変なように感じます。

例えば、高価な経路充電で充電したEVの電力を、
安価な夜間に地域で使われてしまったりすると、
その家庭にとっては 買電額 > 売電額 の逆ザヤですよね?

対応としては、
各家庭のEVにためている電力には充電時相当の価格情報を付与しておいて、
市場価格 > 蓄電池内の価格 となった時だけ、
地域へ売電するなどの仕組みを考えているようです。

でも、急な用件でEVで出かけようとしたら、
いつの間にか系統に電力を吸い出されてしまっていて、
昼間の高価な系統電力で泣く泣く充電しても、出発は2時間後!
なんてのも困りますよね。

V2Gの制度設計では、
 ・我が家EVの社会インフラ供出分はSOC 50 %まで
 ・今日は○○時にEVで出かける予定
 ・今日は遠出するので一切供出はしない
などの設定を、スマホで出来るように考えているようです
(設定するの忘れそうw、その頃には家事AIが勝手に設定してくれるかな?)

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さてさて、我が家の柴犬様は、
 ・「お仕事」はかならず屋外、よって散歩は槍が降っても朝晩必ず行く
 ・ウマウマがある時は、とても従順
 ・抜け毛は戦争
 ・基本的にビビり
との通常仕様となっておりますw

和犬あるあるで、外出時などても気を使いますが、
そこが良いところでもあります。

では、今日はここまで!



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