EV経路充電器をどう公共化するか? 2026年1月

日本のEVの経路充電器の海外との比較を表1に示します。

地域急速充電器の設置者設置場所日本との差
欧州国・自治体路上・公共駐車場道路インフラ扱い
英国自治体歩道・縁石自宅にEV充電器はほぼ無い
北米連邦+州高速IC・都市部補助金で主導
中国国家+国有企業公共地完全に公共インフラ
日本民間企業お店の敷地が殆ど国・自治体は補助金で関与
表1 日本のEV急速経路充電器の海外との比較

米国や韓国は、当初は日本式の民間企業主導での整備でしたが、
最近は、それらを国・自治体が公共サービスとして引き継ぐようになってきています。

日本が何でも海外に寄せる必要はありませんが、
このまま、日本式を継続できるのか? を今日は考えてみます。

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1.日本のEV経路充電器の現状と背景

公共インフラとしてのEV経路充電器に求めるのは、
 ・24時間利用可能(夜も明るい、故障時も直ぐに対応)
 ・移動の多い経路に適度な密度・口数で配置
 ・EVのメーカーを選ばない
 ・多くの認証方式に対応
 ・料金に地域差が無く、出来れば安価w(市場論理だけで価格を決めない)
あたりかと。

国や自治体が整備する場合には、これらは可能です。

しかし、日本の経路充電器は、
 ・急速充電器 10000箇所
 ・内、24時間 6000箇所
 ・内、多い順に、
   自動車D 2800
   コンビニ 900
   道の駅  800
   GS    500
   SAPA   500
   市役所等 200
となって、殆ど民間企業が管理している土地に設置されていることがわかります。
この中で公共と呼べそうなのは、道の駅、SAPA、市役所ぐらいかと。

これは、日本の場合、エネルギーと道路の所管官庁が異なることと、
充電時の事故が起きたときに、どちらが責任を負うのかの調整も出来そうにない
ことが原因なのかと。

ただ、道の駅は、この両官庁が上手く連携して充電器を設置している例なのですが、
さすがに、全国に今後1万箇所オーダーの道の駅増設は多すぎますよね?w

結果、日本は温暖化で責任を負うエネルギーの所管官庁と関係の深い
民間企業(自動車メーカーやコンビニ)の管理する土地に、
EVの経路充電器が、24時間使える「まるで公共サービスのように」設置され、
上表1のように世界でも珍しい形態で現在に至っています。

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2.今後も民間6000箇所を維持出来るのか?

ガソリンスタンドも民間企業が運営していますが、
あちらは公共インフラとして、国からの補助やGSを下支えする法律もあります。
それでも最近は、ハイブリなど燃費性能が上がり、
都市や若者の車離れも進んで、
市場論理に真っ当に従って、不採算GSの撤退が相次いでいるのです。

ましてや、日本でシェアが数%しかないEVの充電器にも、
このままでは、市場論理が働いてくることは間違いないでしょう。

頼みの日産(24時間の経路充電器の1/4、1500箇所は日産Dにある)も、
ご案内の通り、最近は経営再建が急務であり、
本体で2割を超える人員削減、国内7工場の閉鎖、車種の更なる絞り込みなどを進めるとのこと。

それを嫌って、日本での同社の最近の販売台数は大きく減少しており、
売る車が少なくなれば、本体とは別会社でも、Dの数も減らしていくことになるのかと。

先日、ここでも紹介した日産Dでの充電器設置率、設置箇所数が
年々、落ち始めているのも気になります。

同じく、コンビニの急速充電器も昨年1年間で1割減っていましたが、
こちらも本業の不採算による店舗の整理による削減が多く含まれていました。

このまま民間に充電器部分だけの補助金を入れても、
本業でのお店の撤退には効果が無く、
最悪、現状の半数近い3000箇所オーダーで
24時間EV充電器が突然無くなってしまうこともあり得ます。

日本は、今後どうやって公共性の高い経路充電器を残し、
更に増やして行けば良いのでしょう?

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3.ローカル線の残し方に似ている?

利用頻度は少ないが、代替手段がなく、地域外ユーザーも利用、災害時にも使う、
そんなローカル鉄道路線を残す方法として、第三セクター方式があります。

24時間EV充電器の半数(3000箇所)を担っている民間企業が
本業の不振により撤退してしまう前に、
それら充電器を公共インフラとして第三セクターが引き継ぐ案は如何でしょう?

三セクは国・自治体・eMPなどの大手充電企業による設立が近道かと。

まずは、現状の店舗内配置のまま、充電器の所管を民間企業から、
この三セクに移していきます。
当面はメンテや管理費を三セクがお店に支払います。

その中で、
代替不可、地域外ユーザーも使う重要経路、
災害時必要性、24時間化可能、
お店の跡地が使いにくくならない、費用対効果などで、
残す(公共として無くしてはいけない)充電器を絞り込む。

次に、
店舗内の充電スペースをフェンスで仕切って店舗とは独立させ、
道路から入りやすい構造、位置に改める。
見た目は歩道を切り込んで設けたバス停に充電器があるイメージです。
私有地なので、当然、EV充電以外での駐車は禁止ですw

道路の所管官庁に嫌われないようにw、
バス停の如く道路からの一続きの構造でも、
充電エリアは第三セクターの所有地・管理地とする。
(充電事故はあくまでも三セクの責任となるw)

こうすれば、
現状の大家のDやコンビニが撤退した後も、
充電エリアを差し引いた店舗跡地は別の用途に使いやすく、
しかも、充電インフラの突然の全滅も避けられます。

以後、EVの増加とともに、
この方法で道路、エネルギーそれぞれの所管官庁とも連携しながら、
半官半民の三セクによる道路サイドの公共インフラとしてEV充電器を増やしていく。

・・・・との拙い私案です。

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冬至を過ぎたばかりですが、
明らかに日射量、発電量が前日を上回るようになって来ました。

依然として、寒さは厳しく、
夜間のプリ充電は減らせませんが、
上り坂は元気が出ます。

では、今日はここまで!

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